第二款 救命いかだ(第21条―第25条の2)/船舶救命設備規則
(昭和四十年五月十九日運輸省令第36号)
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最終改正:平成一五年一二月二二日国土交通省令第118号
船舶安全法(昭和八年法律第11号)第2条第1項の規定に基づき、
船舶救命設備規則を次のように定める。
第二款 救命いかだ
(膨脹式救命いかだ)
第21条
膨脹式救命いかだは、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一
完全に膨脹して天幕を上にして浮いている場合に海上において安定性を有すること。
二
十八メートルの高さ(水面からの高さが十八メートルを超える場所に積み付けられる救命いかだにあつては、当該積付場所)から水上に投下した場合に救命いかだ及びその艤装品が損傷しないものであること。
三
水上において、天幕を展張した場合及び展張していない場合に、四・五メートルの高さからの人員の繰り返しの飛び降りに耐えられるものであること。
四
穏やかな水面において、人員及び艤装品を満載し、かつ、一のシー・アンカーを引いている場合に、三ノットの速力でのえい航に耐えられるものであること。
五
次に掲げる要件に適合する天幕を有すること。
イ 救命いかだが膨脹した場合に自動的に展張すること。
ロ 次に掲げる要件に適合する乗込口を二箇所以上有すること。ただし、定員が八人未満の救命いかだにあつては、一箇所とすることができる。
(1) 正反対方向に位置していること(乗込口を二箇所以上有する救命いかだに限る。)。
(2) 内外から容易に開閉できる風雨密の閉鎖装置が取り付けられていること。
ハ 監視窓が取り付けられていること。
ニ 乗員が座るための十分な高さを有すること。
ホ 次に掲げる要件に適合する灯が天幕の頂部と救命いかだの内部に取り付けられていること。
(1) 第8条第25号ハ(1)から(3)までに掲げる要件
(2) 白色の光を上方のすべての方向に発することができること(天幕の頂部に取り付けられている灯に限る。)。
ヘ 水面上一メートル以上の高さの位置にレーダー・トランスポンダーを取り付けることができること。
ト 第8条第24号イ、ハ、ニ及びヘ、同条第25号ニ並びに第9条第1項第5号ニに掲げる要件
六
十分な強度及び長さを有するもやい綱が取り付けられ、かつ、救命いかだの外周及び内周に救命索が取り付けられていること。
七
海上において上下を逆さにして膨脹した場合に一人で容易に反転させることができること。
八
少なくとも一箇所の乗込み口に十分な強度を有する乗込台が取り付けられていること。
九
前号の乗込台の損傷により救命いかだが大きく収縮することを防止するための措置が講じられていること。
十
乗込台が取り付けられていない乗込口には、乗込用のはしごが備え付けられていること。
十一
前号のはしごから救命いかだの内部への人員の引込みを容易にすることができる設備が取り付けられていること。
十二
海上において遭遇する状態におけるはげしい摩損に耐えられるように作られた容器にできる限り天幕を上にして膨脹するように格納したものであり、及び当該容器内にある状態で膨脹のための作動ができ、かつ、浮くことができるものであること。
十三
浮力は、逆止弁を通じて膨脹する二個以上の独立した気室により得られるものであること。
十四
気室は、過圧に対して十分な強度を有し、かつ、過圧防止のための装置が取り付けられていること。
十五
一個の気室が膨脹しない場合であつても十分なフリーボードを有するものであること。
十六
質量は、容器及び艤装品を含めて百八十五キログラムを超えないこと(管海官庁が適当と認める機械的に進水させる装置に積み付けるものを除く。)。
十七
床は、防水性のものであり、かつ、冷たさに対して有効に絶縁されることができるように気室その他で作られたものであること。
十八
人体に対して無害な気体を使用して、索を引くことその他同様に簡単かつ効果的な方法により自動的に膨脹するものであること。高圧ガスを使用する場合にあつては、高圧ガスを充てんするための容器(高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第204号)の規定に適合するもの)及び充てん装置は主気室の外側に格納され、かつ、常時安全に保たれるように保護されていること。
十九
充気ポンプ又はふいごを圧力の維持のために使用することができるような装置が取り付けられていること。
二十
管海官庁が適当と認める構造のもので、あらゆる海面状態において海上で三十日間の暴露に耐えられるものであること。
二十一
摂氏十八度から摂氏二十度までの範囲の温度を通じて一分以内、摂氏零下三十度において三分以内で膨脹が完了するものであること。
二十二
定員は、六人以上であること。
二十三
次に掲げる要件(管海官庁が差し支えないと認める場合にあつては、ロ、ハ及びニに掲げる要件)に適合する安定水のうが取り付けられていること。
イ 見やすい色であること。
ロ 迅速に海水を取り入れることができること。
ハ 救命いかだの定員に応じて十分な容積を有すること。
ニ 救命いかだの底部の下方に空気が滞留することを防止するための措置が講じられていること。
二十四
降下式乗込装置に連結するための索が取り付けられていること(降下式乗込装置により乗り込むものに限る。)。
二十五
第8条第1号、第3号及び第4号に掲げる要件
2
海上において上下を逆さにして膨脹した場合に自動的に復原することができる膨脹式救命いかだ(以下「自動復原膨脹式救命いかだ」という。)は、前項各号(第7号及び第12号を除く。)に掲げる要件のほか、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一
艤装品を満載した状態において、上下を逆さにして膨脹した場合及び膨脹後に反転した場合に、自動的に復原するものであること。
二
海上において遭遇する状態におけるはげしい摩損に耐えられるように作られた容器に格納されたものであり、及び当該容器内にある状態で膨脹のための作動ができ、かつ、浮くことができるものであること。
三
第8条第40号に掲げる要件
3
いずれの側を上にして浮いている場合にも使用できる膨脹式救命いかだ(以下「両面膨脹式救命いかだ」という。)は、第1項各号(第1号、第7号及び第12号を除く。)に掲げる要件のほか、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一
いずれの側を上にして浮いている場合にも、海上において安定性を有すること。
二
艤装品は、いずれの側を上にして浮いている場合にも容易に利用することができるように格納されていること。
三
前項第2号及び第3号に掲げる要件
4
前3項の膨脹式救命いかだであつて人員及び艤装品を積載したまま救命いかだ進水装置により進水させるもの(以下「進水装置用膨脹式救命いかだ」という。)は、それぞれ当該各項に定めるところによるほか、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一
前3項の膨脹式救命いかだであつて人員及び艤装品を満載したまま救命いかだ進水装置により安全に進水させることができること。
二
救命いかだ進水装置と連結することができる装置が取り付けられていること。
三
船上から前3項の膨脹式救命いかだであつて人員が安全に乗り込むことができるように救命いかだを保持するための装置が備え付けられていること。
四
前3項の膨脹式救命いかだであつて人員が乗艇場所から迅速に乗り込めるものであること。
五
第1項第8号の乗込台は、第3号の装置が取り付けられる側と反対側にある乗込口に取り付けられていること(二以上の乗込口を有する救命いかだに限る。)。
六
第8条第12号に掲げる要件
第22条
削除
(固型救命いかだ)
第23条
固型救命いかだは、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一
天幕を上にして浮いている場合にも海上において安定性を有すること。
二
次に掲げる要件に適合する天幕を有すること。
イ 救命いかだが進水した場合に自動的に展張すること。
ロ 第21条第1項第5号ロからトまでに掲げる要件
三
上下を逆さにして進水した場合に、一人で容易に反転させることができるものであること。
四
浮揚性を有する材料により作られた浮体ができる限り救命いかだの外側に沿つて配置されていること。この場合において、浮体は、難燃性を有するか、又は難燃性の覆いにより防護されたものでなければならない。
五
質量は、艤装品を含めて百八十五キログラムを超えないこと(管海官庁が適当と認める機械的に進水させる装置に積み付けるものを除く。)。
六
第21条第1項第2号から第4号まで、第6号、第8号、第10号、第11号、第17号、第20号、第22号、第24号及び第25号に掲げる要件
2
上下を逆さにして進水した場合に自動的に復原することができる固型救命いかだ(以下「自動復原固型救命いかだ」という。)は、前項各号(第3号を除く。)に掲げる要件のほか、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一
艤装品を満載した状態において、上下を逆さにして進水した場合及び進水後に反転した場合に、自動的に復原するものであること。
二
第21条第2項第3号に掲げる要件
3
いずれの側を上にして浮いている場合にも使用できる固型救命いかだ(以下「両面固型救命いかだ」という。)は、第1項各号(第1号及び第3号を除く。)に掲げる要件のほか、第21条第2項第3号並びに同条第3項第1号及び第2号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
4
前3項の固型救命いかだであつて人員及び艤装品を積載したまま救命いかだ進水装置により進水させるもの(以下「進水装置用固型救命いかだ」という。)は、それぞれ当該各項に定めるところによるほか、第21条第4項各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
(救命いかだの定員)
第24条
膨脹式救命いかだの定員は、次の各号に掲げる数のうちいずれか小さい数に等しいものとする。
一
膨脹した状態における主気室(支柱及びスオートの占める部分を除く。)の容積(単位立方メートル)を〇・〇九六で除して得た最大整数
二
膨脹した状態における床(スオートの占める部分を含む。)の面積(単位平方メートル)を〇・三七二で除して得た最大整数
三
艤装品の操作を妨げることなく着席することができる成人(イマーション・スーツ及び救命胴衣を着用した成人をいう。)の数
2
固型救命いかだの定員は、次の各号に掲げる数のうちいずれか小さい数に等しいものとする。
一
浮体の容積(単位立方メートル)に、一から浮体の材料の比重を引いた数を乗じ、それを〇・〇九六で除して得た最大整数
二
床の面積(単位平方メートル)を〇・三七二で除して得た最大整数
三
前項第3号に掲げる数
(救命いかだの艤装品)
第25条
救命いかだには、次の表に定める艤装品を備え付けなければならない。
|
艤装品の名称 |
艤装品の数 |
備考 |
|
浮輪 |
一個 |
長さ三十メートル以上の浮揚性の索に結びつけられたもの |
|
ナイフ |
二個 |
一個は、浮揚性のとつ手及び附属するひもが取り付けられた非折りたたみ式のもの。定員十二人以下の救命いかだには、一個を備え付ければよい。膨脹式救命いかだにあつては、安全ナイフでなければならない。 |
|
あかくみ |
二個 |
定員十二人以下の救命いかだには、一個を備え付ければよい。 |
|
スポンジ |
二個 |
|
|
シー・アンカー |
二個 |
効果的なもので、一個は、恒久的に救命いかだに取り付けたもの |
|
かい |
二本 |
浮揚性のもの |
|
修理用具 |
一式 |
気室の破損を修理するため必要な用具を袋その他の容器に入れたもの |
|
充気ポンプ又はふいご |
一個 |
|
|
救難食糧 |
定員一人当たり一万キロジュール |
管海官庁が適当と認めるもので、水密容器に格納された気密容器に入れたもの |
|
飲料水 |
定員一人当たり一・五リットル |
水密容器に入れた清水。定員一人当たり最大一・〇リットルの飲料水は、管海官庁が適当と認める海水脱塩装置をもつて代えることができる。 |
|
コップ |
一個 |
さびない目盛付きのもの |
|
応急医療具 |
一式 |
管海官庁が適当と認めるもので、水密容器に入れたもの |
|
船酔い薬 |
定員一人当たり四十八時間船酔いを防止するため十分な数 |
|
|
船酔い袋 |
定員一人当たり一個 |
|
|
保温具 |
二個又は定員の十パーセントを収容するため十分な数のうちいずれか大きい数 |
第29条の4の規定に適合するもの |
|
缶切 |
三個 |
膨脹式救命いかだにあつては、いかだに損傷を与えるおそれのないもの |
|
はさみ |
一個 |
膨脹式救命いかだにあつては、いかだに損傷を与えるおそれのないもの |
|
笛又は同等の音響信号器 |
一個 |
|
|
釣道具 |
一式 |
|
|
行動指導書 |
一冊 |
救命いかだに乗り込んだとき直ちに実行すべきことを示したもの |
|
生存指導書 |
一冊 |
救命いかだ内で生存する方法を示したもの |
|
救命信号説明表 |
一部 |
船舶安全法施行規則第63条の規定に基づき、国土交通大臣が告示で定める救命施設と遭難船舶との間の通信に必要な信号の方法及びその意味を説明したもの |
|
落下傘付信号 |
四個 |
第33条の規定に適合するもの |
|
信号紅炎 |
六個 |
第35条の規定に適合するもの |
|
発煙浮信号 |
二個 |
第36条の規定に適合するもの |
|
水密電気灯 |
一個 |
第37条の規定に適合するもの。予備電池一組及び予備電球を一個を水密容器に入れておかなければならない。 |
|
日光信号鏡 |
一個 |
第38条の規定に適合するもの |
|
レーダー反射器 |
一個 |
効果的なもの |
|
海面着色剤 |
一個 |
効果的なもの |
2
前項の規定にかかわらず、短国際航海に従事する第一種船であつて沿海区域を航行区域とする船舶に救命いかだを備え付ける場合には、救難食糧、飲料水、コップ、缶切、はさみ、釣道具並びに落下傘付信号、信号紅炎及び発煙浮信号の二分の一を備え付けることを要しない。
3
第1項の規定にかかわらず、第二種船又は第四種船であつて次の各号に掲げる船舶に備え付ける救命いかだには、それぞれ当該各号に掲げる艤装品を備え付けることを要しない。
一
限定近海船 救難食糧、飲料水のうち一・〇リットル、船酔い薬、船酔い袋、保温具、缶切、はさみ、釣道具、行動指導書、生存指導書並びにナイフ、あかくみ、スポンジ、シー・アンカー、落下傘付信号、信号紅災及び発煙浮信号(定員十二人以下の救命いかだにあつては、スポンジ、シー・アンカー、落下傘付信号、信号紅火災及び発煙浮信号)の二分の一
二
沿海区域を航行区域とする船舶 救難食糧、飲料水、コップ、応急医療具、船酔い薬、船酔い袋、保温具、缶切、はさみ、笛又は同等の音響信号器、釣道具、行動指導書、生存指導書、救命信号説明表、水密電気灯、日光信号鏡、海面着色剤並びにナイフ、あかくみ、スポンジ、シー・アンカー、落下傘付信号、信号紅炎及び発煙浮信号(定員十二人以下の救命いかだにあつては、スポンジ、シー・アンカー、落下傘付信号、信号紅炎及び発煙浮信号)の二分の一
三
平水区域を航行区域とする船舶 救難食糧、飲料水、コップ、応急医療具、船酔い薬、船酔い袋、保温具、缶切、はさみ、笛又は同等の音響信号器、釣道具、行動指導書、生存指導書、救命信号説明表、落下傘付信号、水密電気灯、日光信号鏡、レーダー反射器、海面着色剤並びにナイフ、あかくみ、スポンジ、シー・アンカー、信号紅炎及び発煙浮信号(定員十二人以下の救命いかだにあつては、スポンジ、シー・アンカー、信号紅炎及び発煙浮信号)の二分の一
4
第1項の規定にかかわらず、固型救命いかだには、修理用具及び充気ポンプ又はふいごを備え付けることを要しない。
5
第1項の規定にかかわらず、第40条の規定に適合するレーダー・トランスポンダーを備え付ける救命いかだには、レーダー反射器を備え付けることを要しない。
(救命いかだの艤装品の定着)
第25条の2
すべての救命いかだの艤装品は、適当な容器に収納し、かつ、救命いかだ内に定着しなければならない。ただし、水上に三十分以上浮くことができる容器に収容するものにあつては、定着を要しない。
2
第15条第2項の規定は、すべての救命いかだの艤装品について準用する。
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