第1章 総則/船舶設備規程


(昭和九年二月一日逓信省令第6号)

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最終改正:平成一五年一二月二二日国土交通省令第118号


  船舶設備規程左ノ通定ム


   第1章 総則

(適用範囲)
第170条  この編の規定により難い特別の事情がある場合には、管海官庁が用途を限定して許可したものに限り、この規定によらないことができる。
 この編に規定していないものにあつては、管海官庁が当該船舶の電気設備の効用に支障があるかどうかを審査してその使用を承認するものとする。

(定義)
第171条  この編における用語の定義は、次の各号の定めるところによる。
 「A種絶縁」とは、次に掲げる絶縁をいう。
 木綿、絹、紙又はこれらに類似の有機質材料で構成され、かつ、ワニス類を含浸し、又は常時油の中に浸したもの(以下「A種絶縁材料」という。)による絶縁
 ベークライトその他の有機合成樹脂、ポリビニールホルマール又はエナメルによる絶縁
 「B種絶縁」とは、次に掲げる絶縁をいう。
 マイカ、ガラス繊維又はこれらに類似の無機質材料を接着材料により接着したもの(以下「B種絶縁材料」という。)による絶縁
 マイカナイトその他のB種絶縁材料と少量のA種絶縁材料とで構成され、かつ、そのA種絶縁材料が損傷することがあつても全体として電気的及び機械的性質を害しないものによる絶縁
 「C種絶縁」とは、生マイカ、石英、ガラス、磁器又はこれらに類似の高温度に耐える材料による絶縁をいう。
 「H種絶縁」とは、次に掲げる絶縁をいう。
 マイカ、ガラス繊維又はこれらに類似の無機質材料を珪素樹脂又はこれと同等以上の性質を有する材料により接着したもの(以下「H種絶縁材料」という。)による絶縁
 H種絶縁材料と少量のA種絶縁材料とで構成され、かつ、そのA種絶縁材料が損傷することがあつても全体として電気的及び機械的性質を害しないものによる絶縁
 「防水型」とは、管海官庁の指定する方法で、いずれの方向から注水しても浸水しない構造の電気機械及び電気器具の型式をいう。
 「水中型」とは、管海官庁の指定する圧力で、その指定する時間中、水中で連続使用することができる構造の電気機械及び電気器具の型式をいう。
 「防爆型」とは、管海官庁の指定する爆発性ガス及び爆発性蒸気の中で使用するのに適するように考慮された構造の電気機械及び電気器具の型式をいう。
 「連続定格」とは、管海官庁の指定する条件のもとに連続使用しても本編に規定する温度上昇限度その他の制限を超過することのない電気機械及び電気器具の定格をいう。
 「短時間定格」とは、冷状態より始めて、管海官庁の指定する条件のもとで、その指定する時間中使用しても、本編に規定する温度上昇限度その他の制限を超過することのない電気機械及び電気器具の定格をいう。
 「絶縁抵抗」とは、電気機械及び電気器具の充電部と大地の間又は充電部相互間の絶縁を、通常の使用状態の温度において直流五〇〇ボルト絶縁抵抗測定器で測定した抵抗をいう。
十一  「絶縁耐力」とは、電気機械及び電気器具の充電部と大地の間又は充電部相互間に、通常の使用状態の温度において、本編に規定する商用周波数の交流電圧を一分間加圧して異常の生じない絶縁の強度をいう。

(供給電圧)
第172条  次表に掲げる電気設備への供給電圧は、同表に規定する電圧を超えてはならない。
電気方式 種類 供給電圧
直流方式 照明設備及び小形電気器具 二五〇ボルト(引火点摂氏六一度以下の油を積載する船舶にあつては一五〇ボルト)
動力設備(小形電気器具を除く。) 五〇〇ボルト(引火点摂氏六一度以下の油を積載する船舶にあつては二五〇ボルト)
電熱設備(小形電気器具を除く。) 二五〇ボルト
交流方式 照明設備及び小形電気器具 一五〇ボルト
動力設備(小形電気器具を除く。) 三相の場合には四五〇ボルト
単相の場合には二五〇ボルト
電熱設備(小形電気器具を除く。) 二五〇ボルト

(配電方式)
第173条  配電方式は、次に掲げるものでなければならない。
 直流二線式
 直流三線式
 交流単相二線式
 交流単相三線式
 交流三相三線式
 交流三相四線式
 船体は、管海官庁が安全性を考慮して差し支えないと認める場合を除き、導体として使用してはならない。

(配置)
第174条  電気機械及び電気器具は、次項から第4項までに規定する場合を除くほか、次に掲げる場所に設備してはならない。
 通風が悪く、引火性ガス、酸性ガス又は油蒸気がうつ積する場所
 水、蒸気、油又は熱により障害を生ずるおそれのある場所
 他動的損傷を受けるおそれのある場所
 燃焼し易いものに近接する場所
 水滴、油等の落下又ははねかえりのおそれのある場所に設置する電気機械及び電気器具は、正常な機能を妨害されないように保護しなければならない。
 船舶の安全性又は居住性に直接関係のある電気機械及び電気器具で、機関室床板より下方に設置し、かつ、ビルジ等により浸水のおそれのあるものは、適当に保護されたもの又は防水型若しくは水中型のものでなければならない。
 爆発し、又は引火し易い物質が発生し、蓄積し、又は貯蔵される場所に設置する電気機械及び電気器具は、防爆型のものでなければならない。

第175条  船舶の安全性又は居住性に直接関係のある発電機、電動機その他の回転機械の軸方向は、なるべく船首尾方向と一致させなければならない。

(取扱者の保護)
第176条  電気機械及び電気器具は、取扱者に危険を与えない構造のものでなければならない。
 電気機械又は電気器具の故障により、その露出金属部が帯電するおそれのある場合は、取扱者を保護するための適当な措置を講じなければならない。

(性能)
第177条  船舶の安全性又は居住性に直接関係のある電気機械及び電気器具は、船舶が縦に一〇度若しくは横に一五度(第6章の規定により備え付ける非常電源及び臨時の非常電源にあつては、二二・五度)傾斜している状態又は二二・五度横揺れしている状態においてもその性能に支障を生じないものでなければならない。ただし、係留船にあつては、管海官庁が当該係留船の係留場所の風、波、潮流等による影響を考慮して差し支えないと認める場合は、この項の規定の適用を緩和することができる。
 電気機械及び電気器具は、船体の振動によりその性能に支障を生じないものでなければならない。

(絶縁距離)
第178条  電気機械及び電気器具(その露出充電部が密閉され、かつ、その火花による危険のないものを除く。)の露出充電部相互間又は露出充電部と大地の間の空げき(火花間げき及び絶縁物のある空げきを除く。)及び沿面距離は、次表に定めるところにより保たなければならない。ただし、管海官庁が承認したものについては、この限りでない。
種別 定格電圧(ボルト) 空げき(ミリメートル) 沿面距離(ミリメートル)
異極端子間 異極裸充電部間 裸充電部と大地間 異極端子間 異極裸充電部間 裸充電部と大地間
自動しや断器及び刃形開閉器 一二五以下のもの 一三 一三 一九 一三
一二五をこえ二五〇以下のもの 一九 一四 三二 一一 一八
二五〇をこえるもの 二五 一〇 一五 五〇 一三 二五
回転機械、制御器(定格電流一〇アンペア以下のものを除く。)並びに自動しや断器及び刃形開閉器以外の配電盤用器具 一二五以下のもの
一二五をこえ二五〇以下のもの 一一
二五〇をこえるもの 一〇 一三
小形電気器具及び定格電流一〇アンペア以下の制御器 二五以下のもの
二五をこえ一二五以下のもの
一二五をこえ二五〇以下のもの
二五〇をこえるもの 一〇
配電盤上の充電部 一二五以下のもの 一三 一三
一二五をこえ二五〇以下のもの 一六 一三
二五〇をこえるもの 二三 二三

(定格値等の表示)
第179条  電気機械及び電気器具は、出力、電圧、電流、力率、周波数、回転数等の定格値又はこれらの使用調整値をその種類に応じて明らかに表示したものでなければならない。

(材料試験)
第180条  船舶の安全性又は居住性に直接関係のある発電機又は電動機であつて定格出力が一〇〇キロワット又は一〇〇キロボルトアンペア以上のものの回転軸に用いる材料は、管海官庁の行う試験及び検査に合格したものでなければならない。ただし、管海官庁が適当と認める機関が発行した合格証明書を有する材料については、この限りでない。

(完成試験)
第181条  次に掲げる電気機械及び電気器具のうち、船舶の安全性又は居住性に直接関係のあるものは、それぞれ各号に掲げる完成試験のうち、その使用目的に応じて必要なものに合格したものでなければならない。
 発電機 温度試験 過負荷耐力試験 過速度耐力試験 整流試験 絶縁抵抗試験 絶縁耐力試験 特性試験 並列運転試験
 電動機 温度試験 過負荷耐力試験 過速度耐力試験 整流試験 絶縁抵抗試験 絶縁耐力試験 特性試験
 変圧器 温度試験 短絡試験 絶縁耐力試験 誘導絶縁耐力試験 電圧変動率試験変圧比試験
 配電盤 温度試験 作動試験 絶縁抵抗試験 絶縁耐力試験
 制御器 温度試験 作動試験 絶縁抵抗試験 絶縁耐力試験

(効力試験及び絶縁抵抗試験)
第182条  電気機械及び電気器具は、船舶に備え付けられたのちに行われる効力試験及び絶縁抵抗試験に合格しなければならない。

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